2006年09月26日

金融商品取引法の基礎知識

金融商品取引法(きんゆうしょうひんとりひきほう(改正法の施行までは証券取引法(しょうけんとりひきほう));昭和23年4月13日法律第25号)とは、「国民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため、有価証券の発行及び売買その他の取引を公正ならしめ、且つ、有価証券の流通を円滑ならしめることを目的」(第1条)として定められた法律。

証券取引法(金融商品取引法へ改題予定) 通称・略称 証取法(改題後は金商法)
法令番号 (昭和23年)法律第25号
効力 現行法
種類 民事法、市場法、金融法
主な内容 金融商品に対する投資者の保護、証券市場の適正な運営
関連法令 民法・商法・手形法・会社法・資産流動化法・金融商品販売法
条文リンク (総務省法令データ提供システム)
目次 [表示]
1 概要
2 改題
3 証券取引法(改題前)
3.1 構成
3.2 内容
3.3 免許・資格
4 金融商品取引法への名称変更と付随する改正(未施行)
4.1 概要
4.2 改正の経緯
4.2.1 金融システム改革
4.2.2 国際的な潮流
4.3 章名・用語変更
4.4 廃止される法律
4.5 「投資サービス法」
4.6 「日本版SOX法」
4.7 施行日
5 金融商品取引法(証券取引法)改正の歴史
6 参考文献・資料
7 関連項目
8 外部リンク



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概要
金融商品、金融商品取引所などに関する用語の定義を行い、株式などの有価証券の売買等の取引や、いわゆるデリバティブ取引と呼ばれる取引の市場でのルールを規定する。金融商品取引法において規定されるルールの中には、インサイダー取引などの公正な取引を保つための規制や、金融商品そのものや金融商品の発行会社などの関連法人に関する開示に関するルールが含まれる。また、株式の公開買付制度など株式の取得に関するルールを規定し、それぞれの金融商品と取扱う業者についての取扱いを定めている。なお、実際の取引は、本法のほか、金融商品取引所(現行の証券取引所)が定める規則や商慣行などによっても規制される。

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改題
2006年以前は証券取引法という名称であったが、2006年の改正により、金融先物取引法などの投資商品に関する法律群をこの法律に統合し、それに伴い、名称が「金融商品取引法」に改題されることが決定した(2006年(平成18年)6月7日に成立、同年6年14日に公布)。この改題にかかる改正法はまだ未施行である。




以下では、便宜上「証券取引法」の規定内容をベースに記述する。

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証券取引法(改題前)
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構成
第1章 - 総則(第1条 - 第2条)
第2章 - 企業内容等の開示(第3条 - 第27条)
第2章の2 - 公開買付けに関する開示(第27条の2 - 第27条の22の4)
第2章の3 - 株券等の大量保有の状況に関する開示(第27条の23 - 第27条の30)
第2章の4 - 開示用電子情報処理組織による手続の特例等(第27条の30の2 - 第27条の30の11)
第3章 - 証券会社等(第28条 - 第66条)
第3章の2 - 証券仲介業者(第66条の2 - 第66条の24)
第4章 - 証券業協会(第67条 - 第79条の19)
第4章の2 - 投資者保護基金(第79条の20 - 第79条の80)
第5章 - 証券取引所(第80条 - 第154条)
第5章の2 - 外国証券取引所(第155条 - 第156条)
第5章の3 - 証券取引清算機関等(第156条の2 - 第156条の22)
第5章の4 - 証券金融会社(第156条の23 - 第156条の37)
第6章 - 有価証券の取引等に関する規制(第157条 - 第171条)
第6章の2 -課徴金(第172条 - 第185条の21)
第7章 - 雑則(第186条 - 第196条の2)
第8章 - 罰則(第197条 - 第209条)
第9章 - 犯則事件の調査等(第210条 - 第227条)
附則
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内容
証券の発行・流通に関する情報開示制度と投資者保護のための組織・人員に関する法律、さらに投資者保護や健全な市場機能の維持のための民事責任や刑事罰制度の整備とそのための調査制度などで構成されている。

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免許・資格
免許・資格には次のものがある。

有価証券市場開設免許
証券取引清算機関免許
証券金融会社免許
証券外務員
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金融商品取引法への名称変更と付随する改正(未施行)
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概要
証券取引法等の一部を改正する法律が、2006年3月に国会に提出され同年6月に成立した。同法律3条は、題名を「証券取引法」から「金融商品取引法」に改めることを定めている。

この改正は、

投資性の強い金融商品を幅広く対象とする横断的な制度の整備
公開買付に関する開示制度や大量保有報告制度の整備
四半期報告制度の導入
財務報告に係る内部統制の強化等に関する制度の整備
開示書類の虚偽記載及び不公正取引(インサイダー取引)の罰則強化
などを主内容としている。

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改正の経緯
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金融システム改革
日本では90年代後半から日本版ビッグバンに代表される金融システムの改革・再編に関する議論が盛んであり、今回の金融商品取引法の制定もその流れの延長線上に位置付けられる。

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国際的な潮流
日本の証券取引法の母法であるアメリカの証券法における「証券」概念はそもそも幅広い対象を予定するものであった。またその他の諸国においても、イギリスでは2000年金融サービス・市場法(FSMA)において定義された「投資物件」概念、ドイツの2004年証券取引法改正、EUで2004年4月に採択された金融商品市場指令(Mi-FID)において導入された「金融商品」概念など、各投資商品(金融商品)について横断的な規制を及ぼす方向に移行しつつあり、国際的な金融市場の整備という点からも同様の横断的な規制を及ぼす必要が生じていた。

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章名・用語変更
従来の証券取引法で用いられていた語句のうち、「証券」との語が付く用語は、原則として「金融商品」が付く語に置き換えられている。このため、金融商品取引法においては、いくつかの章のタイトルも変更されている。

以下の章は、章名が従来どおりである。
 第1章,第2章,第2章の2,第2章の3,第4章の2,第5章の4,第6章,第6章の2,第7章,第8章,第9章,附則

以下の章は、章名が変更される。
 第3章は「金融商品取引業者等」に、第3章の2は「金融商品仲介業者」に、第4章は「金融商品取引業協会」に、第5章は「金融商品取引所」に、第5章の2は「外国金融商品取引所」に、第5章3は「金融商品取引清算機関等」になる。

なお、現行の証券取引所、証券会社は金商法に改題後は法律上の用語としては、「金融商品取引所」「金融商品取引業者」になることになるが、経過措置として「証券取引所」、「証券会社」の名称・商号を継続して使用することが認められる。
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廃止される法律
外国証券業者に関する法律
有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律
抵当証券業の規制等に関する法律
金融先物取引法
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「投資サービス法」
この法律の制定前後においては「投資サービス法」という名称が仮称として、官庁の文書などを含めて使用された。ただし正式名称として金融商品取引法という名が採用されてからは、投資サービス法という名はもはやあまり聞かれなくなった。

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「日本版SOX法」
この法律の一部について経済界、監査法人などを中心に「日本版SOX法」(オリジナルのSOX法はアメリカ連邦法)と呼称されている。これは金融商品取引法全体を指すのではなく、新たに義務付けられた内部統制報告書の提出に関する部分についてのみを指すのが一般的である。内部統制報告書ないしは内部統制システムについての詳細な基準については、内閣府令に委ねられている。

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施行日
 「この法律は、公布の日から起算して1 年6 月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」とされている。これが原則であるが、ただし規定によっては別個の施行期日が定められている(外部リンク参照)。

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金融商品取引法(証券取引法)改正の歴史
1948年:アメリカの法制を参考に証券取引法制定。証券取引委員会設立。情報開示制度の充実化。
1952年:証券取引委員会廃止。大蔵省理財局証券課・証券取引審議会へ移管。
1953年:証券業者・証券取引所の監督制度の強化。
1965年:経済不況に伴う不祥事の多発を受けた抜本改正。証券会社の免許制導入など規制強化。証券外務員の登録制度導入。
1971年:有価証券報告書の提出義務の拡大。半期報告書・臨時報告書制度の導入。公開買付制度の整備。
1981年:公共債の証券業務を金融機関に解禁。
1988年:証券先物取引の導入、社債への規制、内部者取引規制の導入。
1989年:
1990年:株式などの大量保有の開示制度。公開買付制度の改正。
1991年:損失保証・損失補填の禁止。一任勘定取引の禁止。
1992年:子会社による銀行と証券の相互参入の解禁。有価証券の定義の変更。公募・私募の区別の明確化、情報開示制度の整備。
1993年:
1994年:
1995年:
1996年:
1997年:証券不祥事の続発を受けた各種の規制の強化。
1998年:店頭デリバティブ取引を定義。証券投資法人制度の創設。情報開示制度の連結ベース化。取引所集中義務の廃止。株式売買手数料の自由化。証券業の免許制の廃止(登録制)、投資者保護基金の創設。
1999年:
2000年:
2001年:
2002年:
2003年:
2004年:
2005年:時間外取引によって3分の1以上の発行済み株式を取得する場合に、一定の情報公開を義務付ける。虚偽申請企業に対する課徴金制度の制定。会社法改正に伴う修正。
2006年:大量保有報告書制度、公開買付制度の規制の整備。金融商品関連の規制の全体的な見直し・統合措置に伴い、法律の名称を金融商品取引法へ改題。各種の用語の変更。
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参考文献・資料
松尾直彦・岡田大・尾崎輝宏「金融商品取引法制の概要」(旬刊商事法務1771号4ページ)
座談会「新しい投資サービス法制」」(旬刊商事法務1774号6ページ)



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関連項目
有価証券報告書
証券取引所
金融庁
有価証券
金融商品
内部者取引
株式公開買い付け

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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posted by まか at 21:11| 金融商品取引法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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